宮崎椅子製作所のデザイナー 小泉誠 とは? 経歴や作品などを解説

宮崎椅子製作所のデザイナー 小泉誠 とは? 経歴や作品などを解説

 

こんにちはFELICE オンラインスタッフです。

今回は宮崎椅子製作所でも人気なデザイナー「小泉 誠 」についてご説明していきたいと思います。

 

「丁寧に着実に積み上げる」こだわりがあり、とても精巧にできた椅子をたくさんデザインしておりまして、おすすめのデザイナー様の一人です。


宮崎椅子製作所ってどんなメーカーなのか?

宮崎椅子製作所の最大の特徴は「オリジナルデザインの製品づくり」に取り組む、木の椅子専門の家具メーカーです。

創業は1969年に日本の四国の徳島です。
地場産品である「阿波鏡台」で技術を培い、2000年から自社ブランドの椅子づくりを開始したメーカーとなります。

宮崎椅子製作所のモノづくりの根幹は、
【「技術」と「デザイン」を一体にすること】

宮崎椅子製作所では国内・海外の有力デザイナーと職人が現場で手を動かし、一緒に考えるワークショップ方式でデザイン開発を行っています。

詳しくはこちらからご覧いただけます。

 


小泉 誠氏とはどんな人物なのか?

上記でも記載させていただいた通り、建築から箸置きまで生活に関わる全てのデザインを手がけており、現在は日本全国のものづくりの現場を駆け回り地域との恊働を続けています。

製品をデザインするのみというのではなく、実際に形にする際には様々な壁にあたります。図に描けない角度で作らなければならない部分や、木の性質上実現できない設計などです。そんな時も、とことん職人さんと付き合い、壁に向き合い、ゴールを目指す。そんなデザイナーさんなのです。

 武蔵野美術大学名誉教授でもあり、デザインに対しては様々な賞を受賞されております。

・2012年毎日デザイン賞受賞
・2015年日本クラフト展大賞
・2018年JIDデザインアワード大賞

ちなみに現在の宮崎椅子製作所の社屋、ショールーム、スタッフルームを設計したのは小泉誠氏です。

 

 

小泉誠のこだわり

イメージが明確。丁寧に着実に積み上げる。

宮崎椅子製作所が2000年に自社ブランドの製品づくりに取り組み始めた頃から、今日に至るまで定期的にデザインや椅子のチェックなどで通い続けているのが小泉誠氏です。

デザイン開発などで特徴的なのが、最初の案のコンセプトやイメージが明確であるということです。製品化するための必要条件がまとまっており、道筋もできています。

さらに試作品を重ねていくごとに変更を加え、最終的に完成品が出来上がっていくのですが、最初の図面よりも毎回格段に良くなっていくのが特徴です。

理由としては図面を起こした後に実際に形にしてみると沢山の問題点が浮かび上がります。デザイン開発のワークショップなどでは、スタッフと一緒に原寸の試作品に向き合ってどのように問題を解決するか改良点を探っていきます。その問題点を解決するためにはとことん時間をかけて向き合っていきます。

そして最終的に納得のいく手触り、座り心地、構造の感触などを磨き上げて仕上げていきます。

 

シンプルなデザインの裏に潜んでいる難題

小泉氏がデザインする製品はとてもシンプルですが、同時にとても個性的な特徴が潜んでいます。小泉氏のデザインする「シンプル」には奥深い何かが備わっています。

設計の壁を越えるためには時に失敗したり、試作が間に合わなかったりということもありますが、できないことができるようになるまで、小泉氏は一緒に取り組んでくれます。

それは自信が宮崎椅子製作所に対しての思い入れもあり、家具に対しての強い思い入れがあるからこそ、やり抜くということを大事にしているからです。

 

 

小泉 誠氏の代表的な椅子

U chair(ユーチェア)

 

■デザイン
小泉 誠

■サイズ
W490 D520 H720 SH415 (mm)

■Comment
小泉 誠氏が設計をした空間に似合う椅子が欲しいという思いからデザインされた椅子です。 日本の空間は角材で構成される事が多く、この「U chair」も角材の構成で身体を心地よく支えながらも建築的で空間に馴染む事を考えた設計となっております。
その名のとおり背とアームがUの字をしているので「U chair」です。単純な形態をしていますが、肘をゆったりと掛ける事が出来て抜群の座り心地です。
このUの字の部材をフィンガージョイント+削り出しをしていおり「木」らしい魅力的な印象に仕上げています。

 U chair(ユーチェア)

 

 

UU chair(ユーユーチェア)

 

■デザイン
小泉 誠

■サイズ
W565 D530 H730 SH430 (mm)

■Comment
評判が良かった「U chair」を、もっと座り心地の良いアームタイプの椅子に挑戦した椅子となります。
U chairの上にU型のアームを付ける事で、背の当たる面積も増え、肘当てにも余裕ができ、何よりも構造的に強い形となりました。
名前の由来はU chairにU型のアームを付けたという事で「UU chair」です。小泉氏が仕事場で常時座っているのがこの「UU chair」でもあります。

 UU chair(ユーユーチェア)

 

 

 

R+R chair(アールプラスアールチェア)

 

■デザイン
小泉 誠

■サイズ
W380 D475 H745 SH430 (mm)

■Comment
宮崎椅子製作所の開発に関わり沢山の椅子をデザインしたなかで、開発三年目にして初めて商品化になった椅子が「R+R chair」です。スタンダードな椅子ながらも宮崎椅子製作所の技術が活かされた椅子を目指し、この椅子が出来上がりました。
何でもない椅子に見えますが、つじつまの合う形にする為に技術を活かし、外周には大きな面(R)を取る事で、優しいデザインの椅子となっております。

 R+R chair(アールプラスアールチェア)

 

 

 

ORI(オリ) スツール

 

■デザイン
小泉 誠

■サイズ
W430 D375 H420 (mm)

■Comment
日本の折紙は有名です。そして気持ちを折り包んで渡すという折形も伝統的な作法で「折る」文化が日本には根付いています。
この「ORI stool」は、座る、置く、重ねる、添う、という用途を「兼ねる」という日本的な使い勝手を考え、伝統的な「折る」形態を活用しています。
厚みのある木を折曲げ構造で強度を確保する為に、宮崎椅子製作所らしいジョイントの仕方や削り方を施す事で、用途と形状が相まった椅子として完成しました。

 ORI(オリ) スツール

 

 

 

bo chair(ボーチェア)

 

■デザイン
■小泉 誠

■サイズ
W420 D485 H850 SH410(mm)

■Comment
ウィンザーチェアー名人の村上富朗氏にお世話になった思いを素にスポーク構造に挑戦した椅子となっています。
とても必然的で合理的な工法と宮崎椅子の技を合わせ、華奢ながらもしっかりと身体を包んでくれる優しい椅子となっております。

 bo chair(ボーチェア)

 

 

 

kuku chair(ククチェア)

 

■デザイン
小泉 誠

■サイズ
W495 D535 H725 SH420 (mm)

■Comment
宮崎椅子製作所の社長、宮崎氏に「こんな椅子、出来ないですよね・・」と言われたのをきっかけに挑戦をしたキャンチレバー構造の椅子がこのククチェアです。

 kuku chair(ククチェア)背張布タイプ
 kuku muku chair(ククムクチェア)背無垢タイプ

 

 

 

D chair(ディーチェア)

■デザイン
小泉誠

■サイズ
W515 D555 H730 SH400 (mm)

■Comment
左右の台形フレームは、 軽量で強度に優れることが特長です。 大きな背が体を優しく支えます。和室にも対応するデザインとして選ばれています。

 D chair(ディーチェア)

 

 

 

 

hachi(ハチ チェア)

■デザイン
小泉誠

■サイズ
W440 D540 H770 SH415 (mm)

■Comment
正円をモチーフにした座と背には、緩やかな曲面加工が施され、座り心地、背当たりを和らげます。

 hachi(ハチ チェア)

 

 

 

daen chair(ダエンチェア)

■デザイン
小泉誠

■サイズ
W550 D535 H740 SH420 (mm)

■Comment
単一の楕円断面の材料を繋ぎ合わせて、3次元曲木のようなフォルムを構成しています。独特な接合方法を開発し、強度を確保しました。

 daen chair(ダエンチェア)

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

小泉誠氏はどのような椅子を作っているのか?どのような人物かなど、こだわりや作品など様々な角度で解説させて頂きました。

新作展示会などのイベントの際も宮崎椅子製作所さんに出向き、ディーラーとも気さくにお話をされています。その優しさがデザインにも表れていると感じます。ただモノづくりには一切の妥協をされない強さもあります。

次の新作が楽しみなデザイナー「小泉誠」さんでした。

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