マルニ木工の歴史

 

MARUNI COLLECTIONを生み出したマルニ木工

マルニ木工が作るべきものとは何か、原点とは何かを探るため、開発パートナーとしてプロダクトデザイナーの深澤直人を迎え、100 年使っても飽きのこないデザインと堅牢さを兼ね備えた家具づくりをめざし、2008年に「MARUNI COLLECTION」を発表しました。

国際的なデザイン感覚と日本独自の木に対する美意識、そして精緻なモノづくりの技が融合したこのプロダクトは、マルニ木工にしか生み得ない「日本から世界に発信する家具」であり、匠の技が生んだ美しさの結晶です。

そんなマルニ木工はどのような歴史を歩んできたのか解説いたします。

マルニ木工の歴史

創業者である山中武夫は、広島県の宮島で木を用いた伝統工芸が、まるで手品のように自在に形を変えていく「木の不思議さ」に魅了され、その後、当時としては技術難度の高い「木材の曲げ技術」を確立したのです。それまで手工業の域を出なかった日本の家具工業に対して、「工芸の工業化」をモットーに「職人の手によらない分業による家具の工業生産」を目指しました。

戦後、木材の人工乾燥技術の研究開発を始め、高度な木工加工表現のため新技術を開発導入。「技術のマルニ」と評される礎を築きました。一品生産の高級品だった彫刻入り家具の工業化に成功し、1968年に開発した「ベルサイユ」は日本の洋家具史上最大のヒットとして今も知られ、日本の代表的ブランドになると同時に、伝統的な美しさを生み出す良質な家具メーカーとして成長しました。

しかし1990年代以降、「美しい家具を」という思いが風化してしまいかねない時代に危機感を抱きました。そこで国際的なデザイン感覚と日本独自の木に対する美意識、そして精緻なモノづくりの技を融合したマルニ木工にしか生みえない、日本から世界へ発信する家具造りをスタートしました。使い手の生活に溶け込み、100年後も定番として愛される家具を目指し今日も木と向き合い、モノづくりに励んでいます。

1928年創業、いち早く「工芸の工業化」を進めた。

 

1928年5月22日

(株)マルニの前身である「昭和曲木工場」設立。日本の家具工業の近代化がスタート。(写真は初期の曲木作業の様子)

曲木椅子(銀行椅子)第1号
1928年に誕生した最初の椅子は、戦前期に大量に生産された代表的な製品。

 

1930年代次々と新しい製品の開発に励む

 

38号(別名サンパチ)
「角椅子」と総称された事務椅子の代表的な製品。

113号(鉄道回転)
国鉄に多く納められ、戦後もしばらく生産された、回転椅子の代表的な製品。

 

 

1933年

マルニ株式会社に改名。曲木の輪に由来するマークを設定。

 

1938年発行の会社案内
全ての製品で何らかの曲木が使用されており、曲木の良し悪しが会社存続の要であると言ってよかった。

 

1940年代 太平洋戦争〜第二次世界大戦

第二次世界大戦により一度は製造を止めていたが、戦後の日本に訪れた欧米化の流れに乗り、進駐軍の家具製造で成長。様式家具を本場の人に向けてつくることで、技術力を養った。

 

1944年

木製尾翼の試作。戦争遂行のため軍事品の生産に明け暮れた異常な時代であった。

1946年

進駐軍宿舎用家具 「カードチェア」。戦後いち早く立ち直る最初のきっかけは、進駐軍からの家具の大量注文でした。

 

1950年代 戦後の復興

その後の高度経済成長とともに生産能力も拡大。生活の豊かさを反映するように、より華やかなデザインの様式家具が生まれた。中でも’68年に開発したトラディショナル家具は、日本の様式家具史上で最大ヒットを呼んだ。

 

1950年

「38号新生椅子」発売。戦後「自主生産」最初の製品。社内公募で命名され、新しい日本に新しく送り出そうとする意気込みを感じる。

1952年

「210号折りたたみイス、310号テーブル」発売。当時の狭い住宅事情と畳の生活に持ち込む場面にうまくマッチした。

1952年

新聞紙上で全国応募、新時代にはばたくという意味が込められたマークを採用。

 

高度経済成長期

マルニコレクションは高度経済成長をきっかけに様々な製品を発表いたしました、また、60年代の終わりまで続き、 今まで仕組みづくりを行なってきた「製品の工業化」というコンセプトがさらなる飛躍をすることとなりました。

 

 

1953年

「65号応接セット」発売。応接セットは戦前は需要が少なかったが、65号は好評で、今日のリビングセットに続く製品である。

1955年

「オアシス」発売。デッキチェアのシェア90%の爆発的なヒット製品、当社の生産能力拡大の大きなきっかけとなった。

1958年

「No.35デラックス型小椅子」発売。幾度も再販され「デルタチェア」として今なお販売され、強度的にも理にかなったチェアである。

1960年

「No.79応接セット」発売。輸出用フレームを国内販売し好評を得る。のちに「みやじま」と呼ばれ、2007年に「マルニ60」として復刻。

1966年

「No.267応接セット」発売。生産技術の進展により初めて彫刻をとり入れた製品は、消費者の求める市場価格で供給することを可能にした。

1967年

「エジンバラ」発売。脚のらせん柱や菊花模様の彫刻、上張りレザーの皮しぼなど独自の工夫を凝らした最初の本格的様式家具。

1968年

「ベルサイユ」発売。様式家具でありながら様式らしさを極力抑えたクセのないデザインが、消費者に受け入れられ、国内用家具市場に残る空前の大ヒット。今もなお販売しているベストセラー製品。

1971年

「ショパン」発売。カリン材の曲げ加工など、当時最高の技術を駆使したシンプルなデザインと機能性に優れた製品。

 

オイルショック

第一次オイルショックの混乱を乗り越え、人々の中に暮らしを楽しむ意識が高まり、モノの質へのこだわりが生まれ始めた時代でした。

 

1974年

「アンドリュー」発売。優美な曲線の風格あるデザインで、大胆な金華山布を中央に張り込む柄合わせをした業界初の製品。

1974年

「エドワード」発売。マルニ木工の最新技術を駆使し、本場ヨーロッパの様式家具にも劣らない品質とデザインを現代に再現した最高級トラディショナル家具。

1976年

社内公募の中から選ばれた、事業内容をシンボル化したマーク。

 

1977年

「アン」発売。宮廷家具の職人技を思わせる彫刻や表面加工など、熟練した腕をフルに発揮した超高級トラディショナル家具。

1979年

「地中海」発売。地中海沿岸の伝統美と最新の創造性から生まれた、トラディショナルシリーズ。幅広いラインナップとファブリックで楽しめるコーディネート家具

1984年

「マーニー」発売。ニューヨークの高級住宅ペントハウスをイメージしたソファ。柔らかな高級皮革をゆったりと張り、包み込むような座り心地の製品

1988年

「地中海ロイヤル」発売。「地中海」をベースに高度な加工技術と手作業で行うグレージングを加え、よりアンティークな仕上げのハイグレードな家具として誕生させた。

1988年

創業60周年。「株式会社マルニ」へ社名とマークを一新。
2004年「株式会社マルニ木工」設立。

 

1990年代バブル崩壊

’90年代に中国製の安価な家具が流通し、経営は大きく傾いていく。いよいよ倒産の文字が見えた頃、踏ん張るチャンスをくれたのは、地元広島でともに頑張る各企業からの融資と、「続けないかん」という激励の言葉だった。ここで一度、木製の家具という原点に立ち戻って新しく取り組んだのが、国際的な外部デザイナーとの協業「nextmaruni」と、「MARUNI COLLECTION」の発売。当時珍しかったデザイナーズ家具が、いまでは“世界のマルニ”として知られるまでになった。

 

1989年

「ケントコート」発売。17世紀後半、古き良き英国のクラブをイメージしたトラディショナルのプレステージ製品。のちに「ブリティッシュコレクション」に統合。

1993年

「グレース」発売。ベルサイユの猫脚デザインを受け継ぎつつ、シンプルでコンパクトに仕上げた製品

2004年

「ブリタニア」発売。マルニ木工のデザインと技術で出来うる最高を目指し、優美な曲線と繊細な彫刻の上品でグレード感のあるのトラディショナル家具

2005年

「nextmaruni」発売。「日本の思想や美意識から生まれた椅子」を目指し、日本の美意識へのメッセージをテーマに世界的なデザイナーが競作した

2008年

「MARUNI COLLECTION」発売。開発パートナーにプロダクトデザイナーの深澤直人を迎え、100年使っても飽きのこないデザインと堅牢さを兼ね備えた家具づくりを目指す。2011年、ジャスパー・モリソンがデザイナーとして加わる

2008年

「n(エヌ)」発売。心地よいものに囲まれる穏やかなひととき。人間が本能的に求めるゆとりと寛ぎを「n」( エヌ) で実現しました。上質で心地よい、そして長く愛されるスタンダードスタイル。

2010年

「F-UNIT」発売。積み木を重ねるように簡単に組み合わせできる。そのわかりやすさと使いやすさを追求した新しいタイプのシステムボード。流行に左右されないスタンダードでシンプルなデザインです。

2012年

「アトリエ」発売。マルニ木工で作り続けているトラディショナル家具に木の表情を生かした仕上げを施し、新たなファブリックをセレクトした、伝統と現代感覚を絶妙に融合させた製品。

2015年

「レーヌ」発売。
芸術性の高い華やかなロココ様式を継承したエレガントなフォルムと、木部の美しい艶が調和した格調高い逸品。

 

そして現在へ

100年先も定番として愛される家具をつくり続ける。

マルニ木工の代表ブランドへとなった「MARUNI COLLECTION」

2010 年より深澤直人をアートディレクターとして迎え入れ、「MARUNI COLLECTION」を世界に誇る日本発の家具ブランドとして確立するため、新たな一歩を踏み出しました。そして 2011年にジャスパー・モリソン、2022年にセシリエ・マンツが新たにデザイナーとしても参加し、更なる高みを目指し世界に通用する日本の美しい家具づくりをしていくこととなります。

最後までお読み頂きありがとうございました。

当店ではマルニコレクションの商品と取り扱っており、お客様に合った商品のご案内も可能となっておりますので、お困りの方はお気軽にお問い合わせください。

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MARUNI COLLECTION(マルニコレクション)とは?

 

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